サッカー元日本代表 鈴木啓太の次なる挑戦 ①

April 19, 2017 at 11:01pm | by Logstar.jp

引退直後に、腸内フローラ解析ビジネスを展開するAuB(Athlete micro-biome Bank)を立ち上げた元サッカー日本代表の鈴木啓太氏。日本サッカーを牽引した後、新ビジネスを立ち上げ、経営者としてのセカンドキャリアを歩んでいる。この度シリコンバレーを訪れた鈴木氏に、ログスタ編集部が事業やキャリアについての話を聞いた。

 

鈴木啓太 / 元Jリーガー・サッカー日本代表
1981年生まれ。静岡県清水市出身。高校卒業後、2000年に浦和レッドダイヤモンズに入団。06年にA代表に初招集され、以後オシムジャパンでは唯一全試合先発出場を続けた。09年から11年までキャプテンを務めた浦和レッズを15年に退団し現役を引退。その後、事業家としてAuB(オーブ・Athlete micro-biome Bank)株式会社の代表取締役を務めている。

 

 

 

鈴木啓太が語るアスリートとセカンドキャリア



ーー腸内フローラ解析のAuB(Athlete micro-biome Bank)を立ち上げたきっかけは?

 

鈴木: 腸内細菌に興味をもったのは、僕がアレルギー体質だったこともあって、高校生くらいの時から母親がいろいろサプリを飲ませてくれていたことが原点です。そのままプロになっても摂り続けていました。当時はあまり詳しいことはわかっていませんでしたが、現役生活を送るなかで、自分自身のコンディションがお腹の調子によってかなり左右されるということがわかってきたんです。また、引退する前からセカンドキャリアとして「選手をサポートすることやりたい」と考えていたこともあり、いまのビジネスを立ち上げました。

 

 

AuBのウェブサイトより

 

 

ーー腸内細菌を活用してどんなことができるようになるのでしょう?

 

鈴木: 最終的には、腸内環境を良くするにはこうした方がいいですよ、という提案をしていきたいですね。これはサービスやプロダクト、サプリメントなど、色々な形が取れると思っています。

 

そのために、腸内細菌がアスリートにとってどんな意味を持つのかを提示する必要があるので、この調査をしています。一般の人とアスリートの腸内細菌が明らかに違うということまでは分かっていて、いまはアスリートの腸内環境がどうなっているのかを調べています。プロからアマチュアまで多くのアスリートに協力してもらって検体を集め、分析・解析し、ようやくあと一歩で傾向が掴めそうなところまで来ています。今後はこの結果をベースに、食事、睡眠、運動量、精神状態が腸内環境にどう影響するのか、トップのプロアスリートとアマチュアでは何が違うのかというのを調べていくところです。

 

 

ーーアスリート向けに特化したサービスなのでしょうか?

 

鈴木: アスリートに関しては、研究がメインですね。私自身の気持ちとしては「アスリートをサポートしたい」と考えていますが、そこで得られた知見をもとに商品やサービスを開発して、一般の方にも提供したいと考えています。

 

 

 

 

ーーいま一番苦労していることは?

 

鈴木: スタートアップなので、「これから先どうなっちゃうんだろう」ということはよくあります(笑)。この1年間にたくさんの大変なことがありましたが、苦労しているというよりは楽しんでいます。

 

あと、苦労というよりは後悔ですが、もっと勉強すればよかったなと思っています。もっともっと色々やれることがあったと感じていますね。もちろん振り返ればの話なので、現役中にやることはそう簡単ではありません。

 

 

ーー引退後のセカンドキャリアについては以前から考えていたのですか?

 

鈴木: 「サッカーの選手生活以上にその先の人生の方が長い」と考えたとき、セカンドキャリアでサッカー選手以上に成功したいなと思っていましたね。いまは、僕のやっていることに興味を持ってくれる現役の選手もいるので、よく話をしたりします。

 

 

ーー日本と海外で引退後のキャリアについての考えがかなり違うかと思います

 

鈴木: 日本の場合、圧倒的に選択肢が少ないと思います。よく日本の選手が海外でプレーして、海外の考え方に共感して他の道を選べるようになるということがありますよね。ただ、今の日本の環境だと、アスリートが他のことをしていたり、ビジネスをしていたりすると、「何やっているんだ」「集中しろ」という声があがってしまうんです。環境そのものを変えていかないと日本のスポーツ界が危険な状態になってしまう気がします。

 

よく選手会でも話題にあがっていたことですが、親が「プロスポーツ選手にならせたくない」と思ってしまうんです。純粋に応援できなくなってしまうんですよね。「そんなことしてるんだったら、勉強しなさい」という具合に。僕の場合も、プロ入りの直前まで母親が「大学にいきなさい」「プロで成功するなんて甘くない」と、大反対だったんです。こういった日本の環境を根本から変えようとなると、どういう風に教育を受け、どうやってプロになって、プロ生活を通して何をして、というところまで変える必要があります。

 

(つづく)

 

続きの記事: サッカー元日本代表 鈴木啓太の次なる挑戦 ②

  • 新着LOG